フィリピンメトロスタッフからのレポート(2020年7月)
「今日が土曜日だったらいいのに…」
―コロナウイルスのためにマニラがロックダウンされた後の4月の内容ですー
「今日が土曜日だったらいいのに…」というのは、2月末、日曜学校の新学期が始まった直後に訪れた家庭訪問先で、幼い男の子の口からこぼれた言葉です。
その後、道ばた日曜学校は3週間しか続けられませんでした。
都市封鎖は4月30日までの予定ですから、解除されたらすぐに「火を噴く銃」のように熱く再始動するつもりです…そう祈っています。
ただ、現状を見ると、どうなるかはわかりません。
(ロックダウンは段階的に緩和されていますが、6月30日まで延長され、厳しい状況が続いています。)
「今日が土曜日だったらいいのに」という言葉の理由は実にシンプルでした。
その男の子は、毎日が土曜日ならいいと思っているというのです。
それは、土曜日には道ばた日曜学校に行ってボウル1杯の食べ物がもらえるからでした。
まさか、その日を限りに1カ月以上も会えない日が続くなんてその時は思いもしませんでした。
多くの子どもたちにとってメトロの日曜学校は、霊的な栄養だけではなく肉体的な栄養源でもあります。
この「釣り針」のお陰で私たちは「子どもをとる漁師」として活動できているのです。
しかし釣り針がなくても福音は宣べ伝え続けなければなりません。
このような時にこそ私は真実を覚えます。
すなわち、私たちが無力感を抱くときでも、イエス様がその力を失ったことはない、という事実です。
道ばた日曜学校は開催できないかもしれません。
私は訪問先の男の子と会えないかも知れません。
でもイエス様は確かにそこにおられるのです。
聖霊様は確かにそこに、子どもたちと共におられるのです。
子どもたちの小さな心に、今抱いている恐れよりはるかに大きな信仰が芽生えるよう、どうか共にお祈りください。
かつてない 先行き不透明感の中で
2020年3月12日。この日のことは忘れられないでしょう。
フィリピン政府は次の日曜施行に向けた政令および指針を可決し、それによって多人数の集会が禁止となったのです。
道ばた教会学校のスタッフと私は屋上に集まって、この先どうするべきか、知恵を与えていただけるよう祈りつつ賛美の歌を捧げました。
そして、どうなるかはわからないものの、通常の道ばた日曜学校に代えて小さなグループを作ることにしました。
「というのは、私が福音を宣べ伝えても、それは私の誇りにはなりません。
そのことは、私がどうしても、しなければならないことだからです。
もし福音を宣べ伝えなかったら、私はわざわいに会います。」
コリント人への手紙 第一 9章16節
伝える方法は変わっても伝えるべき福音は変わらない
翌日の金曜日、私は3つの日曜学校を共に運営しているスタッフ全員を集めて政令の内容を共有し、どのような形で日曜学校を継続するか話し合いました。
そして、5つのグループに再編成して従来よりも広い範囲をカバーすることとしました。
私たちのテーマはこうです。
「全き愛は恐れを締め出す」。
スタッフ全員が罪の悔い改めの祈りの方法を確認しつつ、さらに多くの知恵と恵みを求めて祈り、それから子どもたちに日曜学校のスタイルが変わることを知らせるために各地域へ向かいました。
そして次の土曜日、3月14日はとても素晴らしい日になりました!
かつて自らが道ばた教会学校に通う子どもだった十代の若者たちが、家から家を巡って個別に福音を語って歩いたのです。
そして私たちも、各所で大人や子どもを30人を超えない範囲で集め、神の愛を語りました。
その日、私は子どもたちの様子を見て喜びを感じましたが、実は、働き人たちの活躍ぶりに圧倒されていました。
自分たちが暮らす近所の家々で、彼らは大胆に福音を宣べ伝えていたのです!
その日は、他の週よりも多くの子どもたち(そしてその親たちも)と新たにつながりを持つことができました。
神様はまことに、すべてを統べ治めておられます!
準備期間は決して時間の無駄ではない
しかし いくらでも無駄にすることはできる
外出規制の中で、メトロの建物内に閉じこもったまま、常に前向きな状態を保つことは至難の業です。
皆の安全のためには動かないことが最善だとわかっていても、飛び出して福音を語りたいという思いが変わることはありません。
しかしある日の朝、屋上でデボーションをする中で(そのための場所があることに感謝!)、神様が語りかけてくださいました。
「準備期間は決して無駄な時間ではない。しかし自分次第で準備期間を無駄にすることもできる」。
外出禁止期間であれ、それ以外の時であれ、どのような状況でどこにいても、私たちに与えられている時間はすべて、有効利用するために神様が与えてくださったものです。
では私たちは、いえ、私は、この準備期間に何をするべきでしょうか。
私たちは今、次の学期の日曜学校の計画やそのための道具作り、インターンの教育を行っています。
もちろんキャンプの準備も。
今年、キャンプができるかどうかはわかりません。
でも、祈っています。そしていずれにしても、私たちは備えるのです。
どうかこの準備の時を、私たちが知恵を用いて有効に使うことができるようお祈りください。