METRO Philippine インターンシップを終えて(2020年7月)

メトロ・フィリピンのインターンシップ(研修制度)に2月4日から4ヶ月参加された平澤様のレポートをお届けします。

研修に行く前の事情
昨年9月に2週間ほど、事前に現地を訪問しました。
その時は、2019年度の道端教会学校をしている時でした。
現在は日本事務所でご奉仕をしているインターン生が活躍している姿を見てきました。
日本に戻ってきた時に、このミニストリーをもっと長い期間、本格的に学びたい、関わりたいと思いました。
その時の私は、子どもが生まれたばかりという状況の中で、4ヶ月もの長期間、家を離れることは不可能に思っていたのですが、その道も開かれてすべての準備が整えられ、日本を離れることができました。

研修中の現地の様子やスタッフの働きについて
研修は2月初旬からでしたので、日本ではまだ今回の新型コロナウイルスについてはあまり大きく取り上げられていなかった時期に、フィリピンに向けて出発致しました。
現地ではすでに、新型コロナについてスタッフをはじめ、各教会でも祈っていて、日本との違いに驚きを覚えました。
インターンの学びが始まると、この働きについて学びたいと思っていた内容を知ることができました。
このミニストリーは、キリストの体に多くの器官があると聖書にある通り、様々な働きが組み合わされているのだと感じました。
フィリピンでは、本部スタッフが直接行っている道端教会学校が14か所、さらに、パートナーチャーチ(協力教会)が25余教会あり、それぞれの教会の規模に応じて複数箇所の道端教会学校を行っていて、1週間で6000人~7000人の子どもたちに福音が届けられていました。
パートナーチャーチが行う道端教会学校の働きのために、毎週火曜日にトレーニングが行われ、各スタッフが5つの地域に派遣されていました。
このトレーニングによって、道端教会学校の質が高められていく仕組みとなっています。
各地域教会の担当者はそれぞれの仕事や学校が終わってから集まっていました。
そこで、学んだことを持ち帰り、グループのメンバー等と共有していき、週末の道端教会学校に向けて準備をしていました。
そして道端教会学校の前日には、必ず家々を回って案内をしていますが、この家庭訪問も重要な働きの1つとなっています。
ゆっくりと時間をかけて家々を回り、コミュニケーションの中で食糧などの生活状況の確認と信仰的な成熟を促す活動をしていました。
道端教会学校に行き、そこで救われて地域教会へとつながること、また、学校へ通うことができるように支援していくことが大きなビジョンとして描かれていました。
そのために、一人の子どもを支えていくメトロのスポンサーシップ(里親制度)があります。
その子どもが生きるために必要な食糧、学業へのための支援、教会キャンプなどに参加するための支援などが用意されています。
スポンサーについての詳細は、メトロの日本事務所、またはHPまで!

現地で学んだこと
施設での研修が終わり、実際の道端教会学校が始まったのが2月18日でした。
それから3週間が経過した頃、事態が大きく変わってきました。
今回の新型コロナウイルスの影響は大きく、マニラ市内はロックダウン(都市封鎖)という状態となり、地域教会へのトレーニング、道端教会学校、家庭訪問など、外へ出る活動が一切できなくなったのです。
2週間~4週間毎に、政府からのロックダウン延長の通達があり、幾人かのスタッフは自宅待機のまま、そして幾人かのスタッフは自宅に戻れず、そのまま本部で過ごすことになりました。
私は、当初の予定通り、5月18日にインターンシップの日程が終了するのを待って帰国いたしましたが、フィリピンから参加していたインターン生は、自分たちの住んでいる郊外の都市まで公共交通機関が動いていないため、戻れる目途が立たない状況でした。
そのような中で、メトロ・フィリピンのスタッフたちは、何かできる事はないかと模索し続けていました。
一時、スモールグループならできるのではないかという情報があり、その可能性を見つければ、そのための研修ビデオを作成し、協力教会が学ぶ機会を持てるようにしたりするなど、メトロの働きに対する情熱を感じました。

感じたこと
初めの数週間でしたが、道端教会学校と家庭訪問に行き、子どもたちが置かれている状況を見てきました。
私が担当したところは、「マーケット3」という、約300人の子どもたちが集うところでした。
ここは魚市場の近くにあります。
また、様々なゴミが集まってくる場所の横でもあり、海の近くで、水はけも良くないため、衛生面においては、非常に悪い場所でした。
子どもたちはゴミの上で遊ぶのですが、ごみの中から遊べるものを見つけ出していました。
ある子どもは下着もなく、野糞をして、ゴミでおしりをふいたりしていました。
それぞれの家は、ベニア板で仕切られている「部屋」という感じでした。
時には、子どものいない高齢者のみの家も見受けられました。
スタッフによると、彼らは夜通しゴミを集める仕事などをしているので、訪問する時刻には、休んでいる男性もいるとのことでした。
道端教会学校の参加対象者は4歳~12歳までの子どもです。
それ以上の年齢になると、働き人として道端教会学校を支える側になれるように訓練していきます。
道端教会学校に来ている子どもたちの中には学校へ行けず、近くの魚市場で働いている子もいるので、訪問時はそのような子どもがいないか探して回り、近況などを聞いたりしていました。

ショックだったことや嬉しかったこと、そして研修が終わってからの感想
このインターンの期間を通じて学んだのは、どの働きにおいても共通することだとは思いますが、キリストへの情熱を持ち続ける事が主の働きを前進させる鍵となるということでした。
それがあるからこそ、どのような状況に置かれたとしても、なんとかして働きを前進させようとするのだと感じました。
スタッフとの交わりの中で、メトロの働きに関わることをやめてしまう働き人もいて、その人たちは、はじめのパッション(情熱)を失ってしまったのではないかという話をしてくれました。
そのことを考えていた時、この情熱を自分が失ってしまわないように聖書を読んだり、祈って礼拝に出席したりすることを優先的に選び続けていかないといけないと感じました。
毎日することはあり、やらなくてはならないこと、責任を果たさなければならないことなどをたくさん抱えているのですが、それ以上に自分の信仰を熱く保ち続けることが今後の働きにとって重要であると感じました。