メトロ・ニューヨーク現地視察ツアー2018参加者のご感想(その2)

昨年11月15日~20日にかけて開催しましたメトロ・ニューヨークの現地視察ツアーにご参加くださった方々のご感想です。先月のお二人に続き、今月も2名の方からのご感想をいただきましたので、皆様にお届けします。

堀井勇士様からのご感想

今回このツアーに参加できて本当に良かった。本を読んだり話を聞いたりはしていたが、実際に行って体験するのは全然違った。メトロの活動は想像以上で、道端教会学校や訪問伝道、サンデースクールどれもクオリティーが高く驚いた。
道端教会学校は、放課後の子どもをターゲットに、場所を変えながら何度も繰り返し開催されているのだが、毎回十人以上の子どもが集まっていた。道端教会学校は、子どもが楽しく参加する工夫がなされていて、話も丁寧でわかりやすく、最後まで参加するとお菓子がもらえる。子どもたちはしっかりと熱心に話を聞いていた。
またニューヨークの貧困地域では、夜一人で外にいる子どもがいる。お母さんが売春をしていて、外がどんなに寒くても雨が降っていても、お客さんが来ると子どもを外に追い出すこともあるらしい。そういう場所に一人でいる子どもに声をかけて話を聞き、一緒に祈り、聖書の話をし、共に時間を過ごしていた。今までの⻑いメトロの活動によって、スタッフにとても懐いて、信頼している様子だった。
さらにサンデースクールの規模の大きさ! 数十台のバスで子どもを迎えに行く。会場は千人近い子どもが集まり最初から大盛り上がり。舞台設定、音響、歌や大勢の子どもたちが楽しめるゲームタイム、子どもたちが引き込まれるメッセージにスタッフ一人一人の子どもたちへの愛情を感じた。サンデースクールに毎週参加すると、支援が受けられるので、親も子どもを積極的に送り出してくれる。
その中で一番印象に残ったことは、会場の入り口で子どもを迎えているビル先生の姿だ。入ってくる子ども一人一人に愛情を持って握手したり、ハグしたり、頭を撫でたりして迎える。このビル先生の子どもに対する愛、パッションがメトロの働きをここまで大きなものにしたのだなと強く感じた。
自分と同世代のスタッフも多くいた。勤勉さ、熱意、喜んで働いている様子には刺激を受けた。
一人の男性スタッフと話した。少年時代、父親は刑務所、ひどい環境で育ち、心を何かで埋めようとしてドラッグやできる悪いことは全部やった。でもいつも虚しさが伴い、自殺をしようとしたこともあったという。そんな中、キリストに出会い人生が変わった。メトロの活動を知り、自分と同じような不遇な環境の中にある子どもたちにキリストの愛、希望を伝えたいと思い、スタッフになったと話してくれた。ビル先生自身もそうだが、他のスタッフも貧しく恵まれない環境で育った方が多くいると聞いた。キリストに変えられた喜びを心から認識している方の活動はとても力強い。自分も初心に帰りいつもキリストの愛に立つ必要があると強く思った。
話を聞けば聞くほどニューヨークには貧困の問題や家族間の問題が沢山ある。サンデースクールに通う子どもたちの家族の中にもお母さんやお姉さんが売春、お父さんやお兄さんがドラッグやギャングと関わりがある、というようなことがある。生活保護を受給しても、すぐ使ってしまい生活に困窮する家庭、父親がいない家庭、ネグレクト、虐待も多いと聞いた。
だからメトロでは、聖書をベースに子どもたちに売春や麻薬などに手を出してはいけない、貪欲になるな、お金のために悪いことをしてはいけないというメッセージを何回もしている。教会学校に通うことにより、悪いグループなどに入る危険性も減ると感じた。このような環境の中にいる子どもたちにとって、ビル先生やスタッフの愛のあるハグに大きな意味があると思った。
日曜日は万代先生に4つの教会に連れて行ってもらった。ブルックリン・タバナクル、メトロの教会、タイムズスクエア・チャーチ、ヒルソング・ニューヨーク。どの教会も桁違いの素晴らしいワーシップ、楽しいひと時だった。
また今回は短い期間だったが、ニューヨークの有名なスポットにたくさん観光に連れて行ってもらった。フェリーの上から自由の女神を見たり、ウォール・ストリートを歩いたり、グランドゼロ、タイムズスクエア、エンパイアーステートビルに登ったりした。そして個人的にトランプタワー、グランドセントラルターミナル、国連にも行った。
とても忙しいツアーだったが、中身が詰まっていて本当に充実した日々を過ごすことができた。

照沼千春様からのご感想(その1)

私は 2018 年6月のビル・ウィルソン氏のセミナーで「What do you see?」のメッセージに、この問題を無視して良いのか?と突きつけられ、その場でケニアの子のスポンサーになったのですが、そのメトロの活動とは果たしてどんなものなのか、クリスチャンではない私が果たしてその活動をどう感じるかを知りたく参加しました。
NYの空港に迎えに来てくれたメトロのバンでメトロ本部に向かう途中、11 月中頃にもかかわらず雪が降ってきました。それはとても珍しいことらしく、会う人会う人皆、最初に雪の話をしていました。まずはメトロ本部を軽く案内して頂きました。数年前にリフォームしたばかりの無駄を省いた無機質なテイストの内装でしたが、エレベーターも階段もカードキーが無いと使えなかったり、室内にもシャッターが付いていたりと、とても鉄壁に守られた建物でした。危険の可能性もある地域なんだと改めて感じました。荷物を置き、すぐに日曜学校を見学に行きました。
そしてここで早速雪の影響が出ました。雪になると親が子供達を外に出したがらないらしく、トラックをステージにしての通常の日曜学校では子供達が集まらないということで、子供達の家を1件1件訪ねて玄関先で神様の教えを説くことに。結構大きな公営団地(だいたい 10 階建以上)でしたが、メトロでは日曜学校に来る子供達の名簿を作成し、それを元に手分けして回ることになりました。メトロのスタッフは、1チーム4〜5名。私はAJ君についてマンツーマンで回りました。ちなみにこの公営団地は、元々スラム街だったところに建てられたもので、そのスラム街に暮らしていた人々がそっくりそのままそこで暮らしている公営団地です。
サンクスギビングの休日の前の週だったので、教えはDon’t be greedy, be grateful.(欲張りにならず、感謝しよう)。
ヨギベア(メトロの愛称)が来た!と元気に出てきた子供達は、寒い玄関先でも熱心に聞き Don’t be greedy, be grateful!
終わりにはスナックのプレゼント!子供達は大喜び!それを留守宅も合わせれば 50 件くらい回りました。
玄関のドアをノックしてヨギベア!と言うと、大人も子供も嬉しそうに出て来ることや、マンション下で溜まっている大人達やマンション内で会う大人にもAJは必ず声をかけるのですが、英語がそれほど分かってない私にも伝わるくらい明らかにヨギベア最高!っぽい事を言われてて、メトロが地元に愛されてる事がとても分かりました。メトロのスタッフが地域の方々に愛される努力(彼らにとっては当たり前の行為かもですが)を日々地道に続けているのをとても実感できました。
その公団を回る前に子供達の帰宅時間まで、ショッピングモールで待つ時間があり、台湾からのインターンの Shutingさんと私達日本人3名で待つ事になったのですが、「Shutingから絶対に離れないで」とAJに念を押されました。また私はそこのスタバでクレジットカードを使おうとした途端、カード停止されました。それくらい安全を疑問視されている地域なんだなと実感しました。
その日はインターン生と同様に、メトロ本部に宿泊でした。トイレもシャワーも共同ですが、アメリカとは思えないくらいとても清潔で、メトロの精神が行き届いてるのを感じました。
次の日は午前中にミーティング。メトロNYはインターンも含めると約 200 人の大所帯。ミーティングと言うよりは、集会という感じ。私たち日本から以外にイタリアやロシアからも見学に来ていました。このミーティングも海外に中継していたり、メトロNY独自で作った映像を流していたり、その辺は結構進んでいて驚きました。
ここでビル・ウィルソン氏が直接スタッフに語るのですが、私が一番印象に残ってるのは、「小さくても今できることをやろう」というフレーズでした。ビル・ウィルソン氏のセミナーを聞いてから何かしたいと思いつつも自分のできること模索中な状況だったのですが、やれる事をやろうと思いを新たにできました。
お昼頃にミーティングが終わりビル・ウィルソン氏が私たちのために時間を取ってくれました。日本の皆さんには感謝をしてると。というのも、スポンサーになってから、日本が一番⻑く続けてくれると。ビル・ウィルソン氏ご本人はいつも忙しそうで、人手がいつも足りないと言っていました。私に何ができるのだろうか?

午後はまた日曜学校の見学。今日は地下鉄に乗って移動。その日はブロンクス地区でした。メトロのスタッフはそれぞれ自分の担当地区が決まっていて、毎週そこに通い道端日曜学校をし家庭訪問をし…子供達はもちろん、その家庭の状況まで細かく把握していました。このブロンクス地区はヒスパニック系が多い為、込み入った話はスペイン語も必要な様子でした。ここのスタッフのリーダーの Vanessa さんはペルー出身で、とても元気いっぱい。若いのに飾らないとても好感のもてる頼もしいリーダーでした。
この日は晴れてはいたけど雪も残り、やはり寒い。1回目の日曜学校は近くのマンションのロビーのスペースで行う事に。日曜学校始まりには大きな音楽をかけ大きな声で子供たちを呼び込み。私たちは呼び込みと、保護者へホットココアを配るお手伝い。(ホットココアは保護者など大人たちのみ)
子供達を楽しさと真剣さとで夢中にさせるスタッフは、本当にプロと言うか、スタッフの嘘のない本気の愛が子供達に伝わっているのをとても実感しました。45 分くらいのプログラムに使われる小道具は全て手作りで、何度も練習をしたと思われる息の合ったステージは、とても見ごたえのあるものでした。最初はかったるそうに参加していた子も最後は楽しそうに帰ったり、終わった後に遅れてきてとても残念そうだった子が居たり、メトロが子供達に大切な存在なのがよく分かりました。
結構体力を消耗した日曜学校ですが、まだこれで終わらない。次の場所に移動。そしてそこはその日に学校がお休みだったため、また「日曜学校やるよー」と各家に訪問。
別のスタッフはトラックのステージを広げるために雪かき、そして準備。寒いので集まりも悪いかと思っていたら結局は結構集まっていた。ステージに立つ Vanessa 達スタッフの子供達の注目をひく能力も素晴らしかった。寒い中でも大いに盛り上がり終った日曜学校。暗くなるし、もっと寒くなるけどもう一回。1日に3回。メトロのスタッフは本当にタフです。

この続きは次号でご紹介します。