フィリピン訪問レポート(2017年11月)

今回は、お仕事のご都合などのため、昨年11月にフィリピンのメトロを見学されました大倉様からのレポートをお届けします。現地では、大型連休の時期で残念ながら教会学校は休みでした。

はじめに、フィリピンに導き、素晴らしい出会いや経験をさせてくださった主に感謝します。11月にメトロ・フィリピンを訪問させていただきました。今回は残念ながら、あちらの連休(祝日)と重なり教会学校の様子は直接見られませんでしたが、スタッフやインターンの方々と家庭訪問に行ったり、道端学校で必要なものの準備を手伝わせていただきました。

初日は市内から約30分の所にあるスラムへ家庭訪問をしました。私自身、発展途上国を訪れるのは初めてですが、テレビや本などで目にしたことのある環境だろうと思っていました。

しかし、実際に目の前に広がる光景や人々の生活は想像以上で、とてもショックを受けました。そこら中ゴミだらけで臭いがひどく、野良犬がうろうろし、人々は“家”と呼べるような場所に住んでいません。酷い表現になりますが、日本の小学校にある飼育小屋のような家々もあり、私たち日本人はそこで1泊することも不可能だと感じました。そのような不衛生で劣悪な環境とは対照的に、子どもたちは笑顔で純粋でとても人懐っこく、驚くことに誰もお金をねだることもありませんでした。彼らはお金より、日々生きていくための食べ物や衣服を必要としていて、“生と死”の間で精一杯生きているんだと実感しました。

子どもたちの中には服がなく裸で泥だらけになって泣いている子どもや、障害をもつ子ども、顔に大きなアザがある子どももいました。また、フィリピンは子どもの数がとても多く、一家族に子どもが10人いることも普通だそうです。しかし、貧しい中で子どもが増えていくと生活がどんどん苦しくなり、悲しいことに、生まれてくる赤ちゃんを“悪魔”と呼ぶ親も少なくないそうです。私たちは家々を回りながら、聖書の絵本を一緒に読んだり、心身や家族のことなど悩みを抱えている方々の話を聞いてお祈りしたり、道端学校をまだ知らない人々に知らせたり、様々な活動をしました。道中、一人の老婆が生後間もない赤ちゃんのお世話をしていたので、「その子の母親はどこにいるの?」と尋ねたところ、「刑務所に入っている。いつ戻れるのかわからず、とても寂しい…。」と返答がありました。母親は、食べ物を得るために物を盗み、警察に捕まってしまったそうです。彼女や家族が生きていくためには、盗むしか選択肢がなかったのだろうと思うと心が痛くなりました。

タガログ語で書かれた聖書の絵本を年上の女の子がみんなに読み聞かせてくれています。子どもたちは興味津々で、聖書の物語に夢中です。

メトロ・フィリピンでは週に1回家庭訪問、2~3回スラムで道端学校を開き、子どもたちに楽しい方法で聖書を教えたり、ほかの団体と協力して何千人にも食べ物を配っているそうです。また、“ナイトトレーニング”という、片道約5時間かかる場所にある教会にも出向き、メトロの伝道方法を伝えて訓練するという活動もあり、その日は早朝に出発し午後11時頃に帰ってくるそうです。

現地のスタッフやインターンはゆっくり食べたり休む時間もなく、日々汗を流してくたくたになるまで働いていますが、子どもたちと接するときは全く疲れを見せず、いつも神様の愛や喜びで溢れていて、その強い信仰や奉仕の心にとても感動しました。

4日間という短い滞在でしたが、実際にスラムに行き子どもたちと触れ合い、人々は私たちの想像以上に多くの支援を必要としている、“私に何ができるのか”と自分の生き方を考えさせられる、とても意味のある時間となりました。

現地の人々は本当に“救い主”を必要としています。彼らの一人でも多くが神様のことを知り、苦しい生活の中でも愛・希望・喜びをもって生活できることをお祈りしています。

神様、たくさん協力してくださった皆様に大変感謝しております。ありがとうございました。