メトロの各国での働きについて(2018年3月)

メトロ・ワールド・チャイルドの働きは、ビル・ウィルソン師によって、アメリカのブルックリンのスラム街で始められ、今では、世界各地で働きを展開しています。子どもたちが、イエス・キリストの福音と聖書の教えに触れることができるようにと、あらゆる方法で教会学校を展開し、必要な支援をしています。

どこの国も巨大なスラム街があり、多くの子どもたちが埋もれるように住んでいます。そしてメトロのスタッフは、その地域の子どもたちが出会う数少ない、良ことを教える人なのです。現在日本から支援をしている国について、今回からその一端をご紹介します。

アメリカの状況とメトロの意義

アメリカ社会の現状について

世界一豊かな国アメリカでも貧困は深刻な問題です。あらゆる部分で格差は広がり、貧困への対策とその地域の犯罪率の高さは、社会全体を脅かす頭の痛い問題となっています。

貧困層の人々の考え方や文化が次世代へ伝わることにより、離婚率上昇やシングルマザーの増大、思慮のなさからの望まぬ妊娠、出産をした結果の育児放棄、新しい恋人による子どもたちの虐待等々、負の連鎖は続きます。日本でも毎日、耳にするようになってきた問題です。

政府は貧困層に対して、いろいろと手を尽くしています。貧困層のためのアパートの建ち並ぶ、巨大なスラム地区もそのひとつです。しかし、衣食住がある程度確保されていても、その中で生まれ育つ子どもたちにとっての問題の根は、別のところにあります。

一見環境の良さそうな地区に建つ巨大なビル群は、全て貧困層のために準備された公営住宅男性が、あちこちに座り込んで、危険な雰囲気の中を、スタッフは訪問し続けます

子どもたちの現状について

子どもたちが日々目にするのは、犯罪者や麻薬の売人、学校にも行かずきちんと働かない人々、ギャングの手下、目先の欲望を満たすことしか考えない生活やお金の使い方をする人々です。家庭が貧しければ、習いごとをするチャンスは減るかもしれません。しかし、もっと深刻な問題は、元々親たちに思慮が欠けていて、欲望をコントロールできないため、自分のことしか関心がなく、子どもに無関心で育児をする気がないこと。お金は自分のために使ってしまい、子どもの教育のことなど考えていないこと。シングルマザーや移民が多く、学歴や経験がないため賃金の低い仕事に就いていて、子育てに余裕がないことなどです。

どのような親でも、子どもにとっては、たったひとりの親です。親からの愛情を求め、親のすることは正しいと思ってしまいます。ひどい仕打ちをされても、生まれてからずっとその環境にいれば、子どもには特別なことではありません。

(ビル先生のバスを見つけ、子どもの頃にお世話になったとお礼を伝えに来た男性)

問題の解決策はどこにあるか

これらの問題の最も良い解決方法のひとつが、メトロの働きと言えます。

アメリカとイギリスの40年に亘る大規模な共同研究の結果では、就学前、または10歳までの子どもにきちんとしつけをしたかどうかが、大人になってからの犯罪率、離婚率、生涯賃金その他に大きな違いを生むと報告されています。

スラムの子どもたちを相手に、教会学校でイエスの救いと愛を伝え、家庭訪問を通じてひとりひとりに愛をもって接するメトロスタッフの労を惜しまぬ活動は、確実に子どもたちに良い影響を与え、彼らの将来を変え続けています。

あなたにもその一端を担っていただければ感謝です。毎日その子と家族のためにお祈りください。誕生カードを書き、できる範囲で構いませんので、プレゼントを贈ってください。自分が誰かに覚えられているということを知ることが、そのような子どもたちにどれほどの喜びを与えるかを覚えていただきたいのです。

貧困地区に出向いて、道端教会学校を開催。1チームで、毎週約1,000名の子どもたちに福音を伝え、数百件の訪問をする

ご支援の意義と価値について

あなたがどんなに良くしてあげても子どもたちの親は感謝しないかもしれません。そのような親が多いのは事実ですし、だからこそご支援が必要なのです。しかし、子どもは違います。きっと一生忘れることはありません。あなたの祈りは神に聞かれ、子どもたちもスタッフも力をいただきます。決して変わりそうにない親の心も変わるでしょう。

日本は、あらゆる負の部分も含め、確実にアメリカの後を追い続けているのです。そして、この働きを支援することは、アメリカのスラム街の子どもを毎週2万人以上助けているということにとどまらず、アメリカの後を追う日本の今後を変えるヒントを得られるのです。