第24回 オペレーション・ホリデー・ホープ(2019年11月)
クリスマスの自己犠牲
デビッドはまだ7歳ですから、本来、自己犠牲という概念を知る必要がない年齢です。
しかし悲しいことに、家長のような役割を押しつけられることがよくあります。
デビッドは小さなアパートに住んでいて、母親と5歳の妹ダニエラ、3歳の妹カーラの4人家族です。
母親は子どもたちを愛していますが、大勢で盛り上がることが好きで、部屋にはいつも大人たちが入り浸り、酔っ払って子どもにふさわしくない雰囲気を作り出していました。
とても「自宅」とは呼べない環境です。
幸いだったのは、上の2人は毎週メトロの教会学校に行かせてもらっていたことです。
メトロのスタッフであるアレクサは毎週、デビッド兄妹がちゃんと教会学校の送迎バスに乗っているかどうかを確認していました。
そしてクリスマスの日。
送迎バスがデビッド兄妹の家に着き、アレクサが部屋に呼びに行くと、家具がほとんどなくなっていることに気づきました。
母親は一晩中飲んだ挙句まだ寝ており、起こそうとしても目を覚ましません。
子どもたちは野放し状態で、ニューヨークの凍るような寒さの中で部屋の窓も開いたまま、カーラは下着姿で鼻水を垂らして走り回っていましたし、誰かに髪をばっさり切られていました。
アレクサは、「とにかく子どもたちを日曜学校に連れて行って、この混乱状態から引き離し、神の平安を心に与えなければ」と思いました。
しかし、部屋には物がなく、日曜学校へ連れ出そうにも、カーラに着せる服が見つかりません。
その時、デビッドが言いました。「今僕が着ている服をカーラに着せて」。
アレクサは驚きました。しかしデビッドは「僕の代わりにカーラを行かせたいんだ」と、譲りません。
教会学校に行くということがどれだけ大事なことか、デビッドにはわかっていたからです。
デビッドは自分の服を脱ぎ、カーラにそのパーカーを着せてズボンを履かせました。
靴はカーラが履けるようなものがなかったので、アレクサが抱っこしてバスに乗せました。
デビッドに見送られながら、アレクサには、教会学校に行けない彼の残念さが手に取るようにわかりました。
しかし、デビッドは同時に幸せも感じていたのです。
自分の小さな妹が、初めてOHHに参加することができたのですから。
最高のプレゼントは、ギリギリのところで間に合いました!
2人の妹たちはアレクサに連れられて帰ってきました。
そしてデビッドにも、ラッピングされたクリスマスプレゼントが手渡されたのです。デビッドは大興奮でした。
3人が受け取った贈り物は、おそらく彼らにとって、その年に手にした唯一のクリスマスプレゼントでした。
豪華な贈り物ではありませんが、彼らにとってそれは、神の愛の象徴でした。家でどんなに辛いことがあっても、誰かが自分を大事に思ってくれているという証明です。
翌週、アレクサが3人に会いに行ってみると、アパートはもぬけの殻でした。
残念ですが、よくあることです。
ずっと交流してきた子どもたちでも、何の前触れもなく一夜にしていなくなってしまうのです。
しかし、ひとつだけ慰めがあります。
私たちがあらゆる機会を用いて、子どもたちの心にみことばを植えてきたという事実です。
神様は、その子どもたちがどこにいるかをご存知です。
そして私たちは、神様が引き続き子どもたちに働きかけてくださるよう祈っています。
クリスマスプレゼントをもらった時の喜び、そしてメトロの教会学校で何よりも素晴らしい最高の贈り物について学んだ時の喜びを、子どもたちは忘れるはずがないのです。
デビッド兄妹のような子どもたちに、人生を左右するような投資をしてくださり、ありがとうございます!
このクリスマスにも、さらに多くの子どもたちに手を差し伸べてあげてください。
オペレーション・ホリデー・ホープとは
クリスマスメッセージの週のメトロの教会学校に参加した子ども全員にプレゼントを渡す働きです
スポンサーのいない子どもたちもプレゼントを受け取ることができます
ご支援金額: 1 件1,500円(何件でも申し込んでいただけます)
締め切り:11月27日(水)
詳しい内容は、こちらをご覧ください↓
(クリックするとPDFファイルが開きます)
オペレーション・ホリデー・ホープ キャンペーンお申込書