空腹を いやす 希望を もたらす(2022年1月)

思いやりの力は 働き続けます

みなさんが、里親制度のスポンサーやメトロの協力者としてご支援を続けてくださる中で「私の支援にどんな効果があるのだろうか」と思われたら、ケニアの3歳の女の子、サマラの話を聞いてください。

幸いにもサマラの兄にはスポンサーがいますが、感染症拡大のピーク時には学校が閉鎖されたため、子どもたちにとって命綱とも言える学校給食を食べることができませんでした。それでも皆さんのご支援のおかげで、ケニアのメトロチームは主食のトウモロコシ粉を購入し、住所がわかっていてスポンサーがいるすべての子どもの家族に袋を届けることができました。あなたのご支援が、多くの家族の暮らしを一変させたのです!

私たちがサマラの家に着いて母親にトウモロコシ粉の袋を渡した途端、サマラはそのうちの一袋をひったくるようにして奪い、抱え込んで離しませんでした。母親が取り返そうとすると、サマラは泣きながら袋を持って逃げて行きました。その様子から、サマラがしばらく何も食べていなかったことがわかりました。空腹のあまり、粉を袋からそのまま食べようと思ったのです。

サマラの母親は、この困難な時期に子どもたちに食事を与えることができてとても感謝していました。このように、緊急支援が必要な家族に命をつなぐ食料を届けることができたことは、あなたの思いやりのお陰です。

こうして届けた食料は、空腹を満たすだけでなく、子どもたちの安全を守ることにもなります。食料支援で各家を回っている中で、ある母親が泣きながら話してくれた出来事に私たちの胸は張り裂けそうになりました。

彼女の11歳の娘のマケナが、切羽詰まって、食べ物を分けてもらいに近所を回っていると、同じ地区に住む男性が「食べ物をあげる」と家に招き入れました。しかし、家に入るなりマケナはその男性にレイプされてしまったのです。男は逮捕されましたが、マケナ母子はその男の家族に脅されるようになったため、親戚が住む3時間離れた安全な地へと、引っ越すことになったのでした。

また、9歳のジョセフという男の子は、少しでも食べ物を手に入れるために自分にできる仕事がないかと、毎日出掛けて探し回っていました。
今ではケニアでも学校が再開されているので、感謝なことにマケナやジョセフも普通の子どもとして過ごすことができ、安全な環境で神様の愛について学ぶことができています。

メトロのスタッフも、子どもたちもその家族も、神様の愛を伝えようと、海の向こうから手を差し伸べてくれるあなたの思いやりには感謝の言葉もありません。この子たちが暮らす地域では、普通の子どもでいることは決して普通のことではないのです。