ビル師デボーション講座 ”足場を固めるには まず静まること”(2020年9月)
2020年9月 今月のデボーション
足場を固めるには まず静まること
イスラエル人たちは「エジプトからの解放」という画期的な未来に色めき立ちましたが、いざ動き始めるとその興奮は長くは続きませんでした。奴隷であった彼らにとって現実は厳しく、自分たちのために神が直接働かれるのを見ていながらも、エジプトでの生活を脱却するのは大変なことだったのです。
モーセに率いられてイスラエル人たちは砂漠を行き、さらに未知なる地へと入って行きました。どこへ向かっているのか誰も知りません。そこへ、エジプトのパロの軍隊が自分たちを激しく追って来るのが見えて、何十万というイスラエルの民たちは怖気づき不安になりました。そして、現代の教会員たちが不安を感じた際にするのと同様、イスラエル人たちも不満を言い始めました。
事態が悪化するほどにイスラエル人たちはパニックに陥り、モーセに向かって文句を言い、さらには神に向かって叫び始めました。 彼らは突如として「奴隷としての生活はそう悪くなかった」と考え始めたのです。そしてモーセに言いました。「どうして放っておいてくれなかったんですか。確かに奴隷生活は惨めでした。でも、少なくとも命の保障はありました!いったい何ということを私たちにしてくれたのです、ここで死ぬことになるなんて!」…思い出してください、イスラエル人たちは怒りをぶつけることに終始し、神にまでたてつきましたが、願いは聞かれなかったことを。
民にこの先を進む勇気を持たせなければならない、とモーセは思いましたが、その前に、彼らを静める必要を感じてこう言いました。「落ち着け。恐れてはいけない。今しばらくその場で黙っていなさい。そうすれば神が御業をなされる。」その後の展開はもう、ご存知でしょう。紅海の水が分かれて立ち、イスラエル人たちは乾いた地を進んで行きましたが、追ってきたエジプト人たちは一人残らず水の中に消えたのでした。
今、あなたが苦難の中で車を走らせているなら、神が同乗を望んでおられることを知らなければなりません。しかし、あなたが神の前を走り過ぎようとすれば、神がそこへ強引に乗り込むことは困難です。ブレーキをかけて神を迎え入れてはどうでしょう。少し立ち止まり、何もかも止めて静まるひとときを持ってみてください。
そうして乗り込んで来られたお方を良い同乗者だと感じたなら、今度はそのお方の運転ぶりに期待しましょう。
それでモーセは民に言った。
恐れてはいけない。しっかり立って、きょう、あなたがたのために行なわれる主の救いを見なさい。
あなたがたは、きょう見るエジプト人をもはや永久に見ることはできない。
主があなたがたのために戦われる。あなたがたは黙っていなければならない。
―出エジプト記第14章13~14節―
心をこめて
創立者・主任牧師 ビル・ウィルソン